1945年創業、

茶農家・狭山茶専門店

自然の恵みと向き合いながら大切に育てたお茶を安心してお召し上がりいただくために、日本の大切な茶文化を次世代に残すために、日々真摯に向き合っています。

お茶の栽培

1.土づくり

良い茶葉づくりには豊かな土壌が不可欠!
年に一回土壌の成分を調べ、茶葉の生育に適した土づくりを実施しています。
土壌の保水性、通気性、肥料成分保持能力の向上には堆肥を与えます。
堆肥を混ぜ込むことで土壌中に隙間ができ、ふかふかで柔らかい畑になります。
また、土壌の酸性度の調整には苦土石灰(くどせっかい)を撒き、茶樹が好むベストな酸性土壌を維持します。

2.肥料撒き

野村園では生物由来の資源を原料とした「有機質肥料」を中心に使用しています。
これは茶樹に養分を与えるという肥料としての役割に加え、土壌自体の質も高めてくれます。
土壌中の微生物を増やし、作物が育ちやすい環境づくりに役立ちます。
肥料撒きは、新芽が芽吹く前の2月と、根が伸びる前の8月に行っています。

3.茶樹の仕立て

茶樹は年に数回、「整枝(せいし)」という剪定作業を行います。
茶樹の仕立てには「芽数型(がすうがた)」と「芽重型(がじゅうがた)」があります。
たくさん整枝をして芽の数を増やす仕立て方を芽数型、反対になるべく整枝をせず芽の数を少なく保ち、その分一枚ずつの葉を大きく厚くする仕立て方を芽重型といいます。
野村園では全ての畑で芽重型の仕立てをしております。
産地特有の冷涼な気候がつくる肉厚の茶葉が、この芽重仕立てより更に厚く育ち、より栄養成分が凝縮された茶葉となります。

4.防霜(ぼうそう)ファン

寒い冬を越し、小さな新芽が日に日に大きく育つ頃、お茶農家が気を付けなければいけないのが「霜害(そうがい)」です。霜害は気温の低下により農作物に被害を与えるもので、これを受けた茶葉の芽は茶色く変色して品質を落とし、収穫出来なくなることも…。


防霜ファンはこの霜害を防ぐための装置です。
夜になって気温が下がると、日中温められた地面の熱が上空へ放射される「放射冷却」が起こります。
これにより上空に溜まった暖かい空気を、防霜ファンの起こす風によって地表に送り返し、霜害を防ぐという仕組みです。

5.被覆(ひふく)

茶摘みの約2週間前からお茶の木に覆いをかけ、日光を遮断します。
少ない日の光で光合成を行おうとする茶樹は
葉の中に多くの葉緑素を作り出し、濃い緑色になります。
また、遮光により“旨味成分=テアニン”が“渋味成分=カテキン”に変化するのを防ぐため
旨味をたっぷり含んだ茶葉となります。

被覆した茶葉でつくったお茶は「かぶせ茶」と呼ばれ、野村園では「高級かぶせ茶 翠(すい)」という名称で販売しております。

収穫から製茶まで

1.摘採(てきさい)

年に2回、5月と6~7月に行います。
5月が一番茶・6~7月が二番茶となり、野村園では三番茶の収穫は行わず
翌年の一番茶に向けて大切な茶樹を休ませます。
摘採時期の見極めには注意を払う必要があり
芽が伸びるほど収量は多くなる一方で、葉は硬くなっていきます。
《緑が濃く柔らかい葉を、ベストな状態で摘む》
野村園では収量よりも品質を重視したお茶づくりを徹底しております。

2.蒸し

茶葉を蒸す作業。野村園では回胴式蒸機(かいどうしきむしき)を使っており、100℃以上の蒸気で満たした機械の中に茶葉を通し、回転させながら蒸します。
この蒸し具合でお茶の味が決まります。

3.粗揉(そじゅう)

蒸した茶葉に熱風を当てながら、撹拌と揉み込みを同時に行い、茶葉内部の水分を揉み出します。
この工程により、色や風味を向上させます。

4.揉捻(じゅうねん)

お茶に重しをかけながら揉み込み、葉や茎など部位によって異なる水分量を均等にしていきます。
これにより乾燥のむらを防ぎます。
また、この工程でよく揉み込むことにより、お茶にしたときに成分が抽出されやすくなります。

5.中揉(ちゅうじゅう)

回転するドラム内で、熱風を当て乾かしながら揉んでいきます。
この工程の後半、ドラムの回転数と温度を下げる事で茶葉を縦長に細く縒り(より)、次の工程の効率を良くします。

6.精揉(せいじゅう)

茶葉を更に乾かし、煎茶特有の針のような細長い形状に整形する作業です。
熱した鉄板の上で乾燥させながら茶葉を揉み、縒っていきます。
この工程により色が良くなり、茶葉表面に艶が出てきます。

7.乾燥

乾燥機に入れ、熱風で茶葉を乾燥させます。
この工程を経て、荒茶(一次加工品)の完成です。

8.仕上げ(振るい、火入れ)

荒茶を仕上げ加工することで、お客さまにお届けするお茶となります。
まずは「選別」によって、荒茶を部分別、大きさ別に分ける作業を行います。
葉・茎・粉などに分けられます。
次に「火入れ」を行い、お茶の貯蔵性を高めると同時に味を整えます。

9.萎凋(いちょう)

「萎凋茶」をつくる場合のみ行う工程です。
摘んだばかりの茶葉を、天日や屋内で薄く広げて萎れされます。
これを萎凋と言い、茶葉に「萎凋香(いちょうか)」という特徴ある香りが生まれます。
萎凋をした後は、通常の煎茶と同様に蒸し以降の工程を経て製茶を行います。
野村園では「香茶(かおりちゃ)」という名称で萎凋茶を販売しております。

THE MOVIE

野村園の紹介動画です。
どうぞご覧ください!

狭山茶の特徴

緑茶というと静岡や京都が有名ですが、
『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』という言葉もあるほどに、味の良さが自慢です。

全国にはいくつかのお茶の産地がありますが、その中で狭山茶を産する埼玉県は緑茶生産の経済的北限です。
そのため冷涼な気候がじっくりと肉厚な葉を育て、独自の仕上げ法である “狭山火入(さやまびいれ)” が茶葉の味に甘く濃厚なコクを生み出します。

緑茶はもちろん、同じ茶葉から作る紅茶・ほうじ茶もおすすめです。